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2014年ルーキー ディオン・アトキンソンとは?



2010年のルール改正によって45人から34人に絞られた世界最高峰のサーフィンレース、ASPワールドツアー。
WQSを転戦している選手にとってはより狭き門になり、毎年ルーキーとして紹介出来る選手も僅か。
タイプとしてはガブリエル・メディナのような若くして一気に上がってくる天才型とグレン・ホールのように長年WQSを回り、アベレージ以上の成績をコツコツと重ねてギリギリのラインでクオリファイに食い込んでくる努力型に分けられることが多いようです。

2014年はジャドソン・アンドレ、アリッツ・アランブルーの返り咲き組を除くとルーキーはミッチ・クルーズ、ディオン・アトキンソンとオージーが2名のみ。
ミッチは日本のWQSでも優勝してある程度の知識はありますが、ディオンのことはご存じない方も多いと思います。
南オーストラリア出身の27歳。2013年、スター、プライム共に優勝無し。それでもワールドランキング31位でクオリファイを果たしたディオンにASPがインタビュー。
夢の舞台への切符をやっと手にした彼の言葉は一つ一つに重みがありました。

■ASP
2014年のASP・WCTのクオリファイが決まった瞬間の気持ちはどうでした?


●ディオン
これには2週間のプロセスがあったんだ。ハレイワ(トリプルクラウン第1戦)で4位に入った時点でクオリファイには十分だと思い、イベントの後にアル・ハント(WQSマネージャー)に聞いたんだけど、まだ確定とは言えないと返されたのさ。サンセット(トリプルクラウン第2戦)が終わり、最後のパイプまで時間が結構空いたから一度家に戻ったんだ。パイプでは最初の数ヒートを見ただけで凄い緊張してしまい、もう見るのを止めたよ。ラウンド3でパトリック・グダスカスとダスティ・ペインが負ければオレのクオリファイが決まることになった。その日の朝、パティ(パトリック)がジュリアン(ウィルソン)に負けるのを見た。ダスティの対戦相手はパーコ(ジョエル・パーキンソン)だったよ。ゆっくりと呼吸し、勝負を観戦した。結果はパーコが勝って遂にその時が来たんだ!受け入れるまで数日かかったよ。嬉しさの余り、震えが止まらず、涙も出た。夢が実現したという感情がジェットコースターのように押し寄せてきたんだ。本当に嬉しかったよ。

■ASP
シーズンのどの辺でクオリファイを意識してきましたか?


●ディオン
ブラジルのプライムで5位。マーガレットリバーのプライムで9位。ニューキャッスルの6スターで5位。この最初の3イベントで良い結果を残し、有利なポジションを得ることが出来た。もちろん、良い結果を更に重ね、もっと大きな結果が必要だと思っていたよ。以前にも同じポジションにいてシーズン後半にランクを落としたことがあるからね。

■ASP
パイプでのイベントを観戦しながら、あなたの頭ではどんな計算をしていましたか?


●ディオン
オレの人生の中で最悪の週だった。あの10日間は本当に落ち着かなかったよ。自分の行動ではコントロール出来ないこと。それを受け入れるのが難しい部分だった。誰かが負けることを喜ぶなんてことは嫌だよ。でも、6年間ここで戦い、やっと目の前に来たチャンスを逃すことはもっと嫌だったね。ツアーでは自分の場所を確立したいよ。



■ASP
あなたとクオリファイを逃した近いポジションだった人との違いは何だと思う?


●ディオン
まず、イベント数が減ったのが有利に働いたと思う。世界中で行なわれるイベントが少しずつ減ったおかげで休む時間が出来た。それは次のイベントに向けて心をリセットしたり、トレーニングするのに有効だったんだ。今年はこのイベント数の絞り込みで気持ちが変わり、それが良いきっかけになったと思う。もし、ランクが落ちていたら条件やルールも変えていたと思うけどね。

もう一つ、大きなターニングポイントはマイクロ(グレン・ホール)のクオリファイだった。いつも彼のサーフィンや長い間クオリファイに専念する姿勢を賞賛していたんだ。そんな彼がクオリファイを果たしたことで、今年はオレの本気度がアップしたのさ。ガブリエル・メディナがアクロバティックな演技でQSの皆をバタバタと倒すのとは全く違う。マイクロは年間を通してブレず、堅実に戦うタイプなんだ。オレも自分のサーフィンの全てを出せば自ずと結果はついてくる。そう信じてトライしていたよ。

■ASP
WCTで成功するために何をするつもりですか?


●ディオン
本気でぶつかるだけだね!彼らに勝ちたいし、一撃をくらわしたい。すでに自分はWCTでやっていける実力があると信じている。必要以上のプレッシャーを感じないようにして、ヒートでは賢くリップをするだけさ。その流れで最高のバレルをメイク出来れば最高だね。

■ASP
2014年のWCTで最もエキサイトしていることは?


●ディオン
フィジー、チョープー、パイプみたいなシリアスな場所での戦いにエキサイトしているよ。フィジーとチョープーはライブで見たことはあるけど、実際に行ったことは無いんだ。あの場所でのイベントは非現実的だし、子供の時から夢見ていたことさ。ラッシュガードだけで入れるスナッパーでの開幕戦が本当に待ち遠しいよ。16歳の頃から憧れていたツアー。WCTの波は全てワールドクラス。全てのイベントに対してエキサイトしていると言わないと嘘になるよ!

■ASP
もっともナーバスになっていることは?


●ディオン
コードレッドが発令された時のチョープーで戦うこと。これでナーバスにならないと言えば嘘になる。他にもフィリッペ・トレドみたいな大きなアーリーウープをする選手との対戦かな。自分でコントロール出来ない全てのことに対して対処出来るように準備はするつもり。ナーバスになることは他にも沢山あるけど、それを逆に興奮に変えたい。WCTへの新しい挑戦。待ち切れないよ。

■ASP
ホームの南オーストラリアではどんな歓迎を受けた?


●ディオン
ホームに戻ってきたら大変なことになっていたよ。こんなに沢山の人がサーフィンについて考えていたなんて初めて知ったんだ。すでに沢山のサポートを頂いている。南オーストラリアではジャラッド・ハウス以来、久々のツアー選手。長い間待っていた分、応援の声も凄いよ。南オーストラリアを代表して世界に飛び出すことは誇りさ。ここ数年、サーフィン業界や雰囲気は落ち込んでいるから、良い刺激にもなっている。会う人皆がオレに対して信じられないほど興奮しているんだ。


(ハレイワの表彰台・ブルーのジャージがディオン)

ASP公式サイト

photo: ASP Covered Images

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