コラム特集
「マーガレットリバーの難しい波の選択力の差が結果に出た」 - F+コラム
Text by つのだゆき、Photo by WSL
CT第2戦、ジョージ・ピターCT初優勝、ガブ2位でイエロージャージー。女子はレイキー・ピーターソンが久しぶりの優勝、2位はルアナ・シルバ。
ジョージ・ピター。Pitterと書くので日本人ならついついピッターとしちゃいそうですが、ピター。タにアクセントです。

ようやく落ち着いて面も整ったマーガレットリバーのファイナルデー。とはいえ波の選択がめちゃくちゃ難しいというか、ワンターンツーターンでファットになって消えちゃう波と、そのまま掘れてくるセクションが続く波とがあって、見えている人にはしっかり見える、見えない人は、なんでぇ~? みたいな。サイズもあって掘れたセクションが続く波というのは各ヒートに1、2本しかなくて、それを選んだ人の勝ち、つまり、優勝したジョージ・ピターは毎ヒート確実にその波を取って勝ち続けたと思う。典型的なオージーパワーレールサーフィンスタイルというか、クラシカルなスタイルで、マーガレットリバーの波にはよくあっていた。パイプとかも結構うまかったし、本格派レール使い職人なんだな、というように思った。
オンショアの時には波のサイズに点が付くようなところもあったし、ガタガタの面を使ったりよけたり、ラインを正確に器用に瞬時に使える選手が勝ったのかな。ガタガタの面を力づくで超えていくというほど生やさしいガタガタではないので、パワーでねじ伏せるというよりは、なだめてすかして、タイミングよく波のスキを突く、という感じ。

2位のガブは、そこ、うまかったなぁ。もうそこで板返さないとコブに乗っかっちゃうし、みたいなギリギリのところで下の段に降りてスピードつけたり、重いターンとシャープなターンを使い分けた見せ方のうまさとか、細かく見れば見るほど舌をまくうまさだったと思う。
ファイナルではピターにいい波に乗られちゃって負けはしたけど、初戦3位2戦目2位としっかりポイントを重ねていて、序盤にしてイエロージャージーだ。

今年はイタロがちょっと元気薄目かな、と思っていて、マーガだし得意そうでもないしと思っていたけど、なんかイタロ特有の忙しく動き回ってあの手この手で波を見つけて、あの手この手でポイントにつなげる感じが功を奏したんじゃないかな。

ベルズの雪辱が果たせそうだったイーサン・ユーイングはクオーターまで来たけどイタロの猛攻にやられた。うまいのはイーサンなんだけど、何が足りないかというと、イタロの持っている器用さというか、いろんなことを次々にやってみる貪欲さというか……そのあたり?
なんというか、イーサンってひとつに絞ってそれを待ったり、ジタバタしない感じ?何が何でも、どんな手を使っても勝ちをつかみ取りに行く信念が希薄というか、チャレンジャーの戦い方というより王様ゲーム的な感じがして、今回のような見えにくい波のコンディションだと待って終わることが多いのかなと思ってしまう。

女子のほうも波の選択力の差だったかなぁ。ルアナ・シルバはブラジルだけどハワイ育ちで、ああいうサイズのある波へのチャージは得意だし、優勝したレイキーもベルズローカルと結婚してベルズとカリフォルニアを行ったり来たりの生活で、ホームともいえるベルズでのくやしさを、ここでしっかりモチベーションに変えた。
まぁ、このマーガレットリバーとベルズって似ているところが多い波なので、同じような人が上位にいるわけだけど、それにしてもブラジル強いなぁ。今回もセミファイナリスト4人中3人ブラジル、ただひとりオーストラリアのピターが優勝したけど、ランキングにすればトップ5のうち4人がブラジル。次のゴールドコーストも含め、様々なタイプの波への対応力を考えると、上位陣ブラジル独占って今年は固いのかも。
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